こんにちは。LiberVictusナビゲーターの古賀ちぐさです。
前回、児玉千織が書いた『これからのチームで成果を出せるのは「空気の読める人」ではなく、「わからないと言える人」』は、たくさんの方に読んでいただきました。
「タイムリーな記事でした」
「すごくわかりやすい記事です」
などSNSを通じて、あるいは直接お会いしてコメントもいただきました。
私自身、空気を読むことは「超」がつくほど得意です。
そして人事という仕事がら、相手の気持ちや行動を先回りして動くことも苦手ではありません。
上司からは「頼んだら、絶対に何とかしてくれる人」だとも言われてきました。
言われてきたのだけれど・・・
記事にも書かれていたとおり、空気を読みすぎて自分自身が疲れてしまったことも多いし、「やりにくいなぁ」と相手のせいにしていたことも数知れず(笑)
そんな数々の失敗を経て、最近はやっと相手に確認するコミュニケーションが、できるようになってきたところです。
それでも時々、勝手に決めつけて「やっちまった!」と思うことも・・・
コミュニケーションは、ほんとに日々の訓練ですね。
これまでの社会は「空気が読めること」が重宝されてきましたよね。
ある種のスキルと言ってもいいぐらいに。
本来はそうではないのに「空気が読めないこと=仕事ができない」という暗黙の了解があったのも事実です。
だから必死で空気を読もうとしてきた人も多いはず。それなのに
「これからは空気を読めるよりも、わからないって言える方が成果を出せますよ」
なんて言われたら、「えっ!?今までの私の努力はなんだったの????」と感じる人もいるかもしれません。
そして私のように、空気を読むことが得意な人は、「えっ!?なんで?空気を読めるって大事でしょ!!!」と憤るかもしれませんね。
数年前の私がこの記事を読んだら、かなりの確率で
「なにを言ってるの?空気を読めるって大事じゃない。空気を読んで対応しているからこそ、波風立たずにチームが回っているんだよ」
と思ったことでしょう(笑)
ではほんとうに、これからの時代に「空気が読める」ことは必要ないのでしょうか?
この記事を読んでくださっているあなたは、どう思いますか?
「空気が読める」はこれからも大切な力
私はこれからの時代も「空気が読める」ことは、とても大切なことだと思っています。
そして前回記事を書いた児玉も、「空気を読む必要がない」と言っているわけではないのです。
そもそも、空気を読むってどういうことでしょう?
その場の雰囲気から状況を推察する。特に、その場で自分が何をすべきか、すべきでないかや、相手のして欲しいこと、して欲しくないことを憶測して判断する
「空気を読む」を調べてみると、こんなふうに書かれていました。
この説明は大きく2つにわけられますよね。
ひとつは「その場の雰囲気から状況を推察する」
そしてもうひとつは「その場で自分が何をすべきか、すべきでないかや、相手のして欲しいこと、して欲しくないことを憶測して判断する」
ですね。
実はひとつめの「その場の雰囲気から状況を推察する」は、チーム作りをしていく上で、とても大切なことなんですよ。
だからこれからの時代は、“空気が読めなくてもいい”わけではないのです。
その場の雰囲気から状況を推察することが、なぜ大切なのか?
ではどうして、「その場の雰囲気から状況を推察すること」が大切なのか。
それはその場の雰囲気には、そのチームが抱えている課題の本質が詰まっているからです。
あなたのチームでも、こんなことがありませんか?
あれ?「賛成」と言っているけれど、なんとなく腹落ちしていないように見える
特定の人だけが話しているけれど、全体を見ると白けているように感じる
これは話している内容や、起こっているできごとだけに目を向けていては、絶対にわかりません。
たとえば「賛成」と言っているけれど腹落ちしていないように見えるなら、
なぜ腹落ちしていないのに、賛成と言っているんだろう?
本音を言えない雰囲気なのかな?
その本音を言えない雰囲気は、どこからきているのだろう?
それはその人固有の問題なのかな?それともチーム全体の問題なのかな?
もしチーム全体の問題だとするなら、どうすればそれを改善できるだろう?
パッと思いつくだけで、これだけの「問い」が立てられるし、それをもとにメンバーにヒアリングをしたり、一緒に対応を考えたりすることもできますよね。
でも多くの人が、話している内容や起こっているできごとといった、わかりやすいものだけを見て対策を立てようとします。
だから対処療法にしかならず、いつまで経っても同じようなことが繰り返し起こるわけです。
いらないのは憶測で判断して行動すること
ほら、やっぱり空気を読める方がいいじゃないか!!
と思いますよね。
ええ、そうです。空気は読めないよりも読めた方がよいです。
でも先ほどのデジタル大辞泉の解説を思い出してください。
その場の雰囲気から状況を推察する。特に、その場で自分が何をすべきか、すべきでないかや、相手のして欲しいこと、して欲しくないことを憶測して判断する
児玉が書いた「これからは空気を読めるよりもわからないって言える方が成果を出せますよ」というのは、まさにオレンジ色でハイライトした部分のこと。
自分が勝手に憶測で判断するのではなくて、「私にはこう見えるんだけど・・」と伝えてみたり、メンバーに「どうして欲しい?」「どうしたらよい?」と聞いたりすることが大切ですよってことですね。
その場の雰囲気から状況を推察できる力は、今後も絶対に必要。
だけどそれを自分で勝手に判断するのではなく、テーブルの下からテーブルの上に出して見える化することが、必要になってくるのです。
ほら、こんなものが隠れていたよ。
さぁ、みんなにも見える形にしたよ。
みんなはどう思う?
そう言えることが大事なんです。
テーブルの下にあるものをテーブルの上に出すというのは、時には勇気がいるものだと思います。
見たくないものもありますからね。
もちろん、なんでもかんでも考えなしにテーブルの上に出せばいいってものではありません。
だけどテーブルに出さなければ、気づいた人だけが忖度したり、苦労したり疲弊したりします。
そしてそれだけ自分を犠牲にしても、成果がほとんど出なかったり、むなしくなったりすることも。
だからこそテーブルの上に出して、みんなで考える、みんなで向き合うことが大切なんですよね。
チームのためだけでなく自分のためにも、あえて見えないものを見えるようにする
空気を読むことが得意な人は、その場の空気を感じ取ったあと、自分だけで処理してしまおうとすることが多いはず。
- 波風を立てたくない
- めんどうくさいことに巻き込まれたくない
- 波風を立てたりめんどうくさいことになるぐらいなら、私が我慢したほうがいい
- どうせ言ってもムダ
こんな気持ちが奥には隠れているのだと思います。
私自身、揉め事はキライだし、人と人とがぶつかりあっているのを見聞きするのが好きではないので、「めんどうくさいことになるぐらいなら、私が我慢すればいい」とずっと思ってきました。
今でも時と場合によっては、”自分が我慢すること”を選ぶこともあります。
でも見ないふりをしていたり、自分だけが我慢したりしていては、チームがよくならない事もわかってきました。
チームがよくなっていかないと、結局自分自身がイライラするんですよね(笑)
だから「これはチームのために必要だな」と思えば、自身の精神衛生のためにも、あえて波風を立てることもあります。
その場が少しぐらいザワザワしたとしても、結果としてよい方向に向かっていくのであれば、長い目で見た時には、自分にとってもチームにとっても大きなプラスです。
だから空気を読むことが得意な人は、ぜひ感じたことをその場に出してほしいのです。
それは「違和感や問題」だけを出すのではありません。
こんなところがよかった
以前よりも、こんなところが良い方向に変わった
プラスの面もどんどんテーブルに出していくと、チームの雰囲気は、より良くなりますよ。
これからの「空気を読む力」は見えないものを見る力×それをテーブルに出す勇気
いろいろと書いてきましたが、これから必要な「空気を読む力」とは
- その場の雰囲気から状況を推察すること=見えないものを見る力
- それをテーブルの上に出す勇気
- 推察したもの(見えないもの)を言語化する力
この3つだと私は思います。
決して「その場の空気なんて気にしなくていい!」ということではないんですね。
従来の「空気を読む」ことが得意な人は、きっとこれからの時代の「空気を読む」こともできるようになるはずです。
だって感じることは、すでにできているんだもの。
- 無意識に感じ取っている人は、それを「意図的」に感じること
- テーブルの上に乗せる勇気がない人は、いいなと感じたこと、あるいは軽そうなものからテーブルの上に乗せてみること
- そして感じたことを言語化することが苦手な人は、最初からうまく伝えようとしなくてよいから、自分の言葉で伝える練習をしてみること
最初からうまくできる人なんていません。
少しずつ練習をしていくことで、必ずできるようになっていきます。
正直なところ、まだまだこれからの時代に必要な「空気を読む力」を発揮出来ている人は多くはありません。
これは日々仕事をしていて感じることです。
ということは、できるようになったら、それだけでアドバンテージが持てるということです。
今のうちから少しずつ練習してみてくださいね。
これからの時代に求められる「空気を読む力」はとても大切なので、Core Programの中でもワークをしながら学んでいただく予定です。
気になるなと思うかたは、まず無料説明会にいらしてくださいね。