元記事は、私が以前個人サイトに書いたものです
「好きなことを仕事にしなければいけない」
「仕事は楽しまなければいけない」
相変わらず、この「べき論」を唱える人、多いですね。
そしてそれが正解かのようにとらえられ、「やりたいこと探し」「好きなことを仕事に探し」で迷子になっている人も増えています。
経営者なのか従業員なのかで、仕事に対する捉え方は違うし、これまでにどんな仕事人生を歩んできたかでも捉え方は違うのに、「べき論」にするからおかしくなるんだよね。
仕方なく始めた仕事でも、やりがいのある仕事はできる
以前、私の継続セッションを受けていたクライアントが、こんな話をしてくれました。
その方は、新卒で入社した会社が合わなくて、1年未満で退職。
「今はどんな仕事をしているの?」という私からの質問に
「何か仕事をしなくちゃと思っていたので、“仕方なく”その仕事を選びました」
こう答えました。
特にやりたいことがあったわけでもない。
新卒で入った会社をすぐに辞めてしまったこと、何か特別なスキルや資格を持っていたわけでもないことから、仕方なく今の仕事をすることにしたそうです。
でも、“仕方なく”選んだはずの仕事なのに、彼女は6年間続けているんですよね。
「『その仕事が好き?』と聞かれると「好き」とは答えられないけれど、自分には向いていると思っているし、やりがいを持ってやっている」
しぶしぶやっているわけでも、イヤイヤやっているわけでもないんですよ。
「好きなことを仕事にしなければいけない」と思い込んでいたら、クライアントのような発想にはならないし、「これは好きな仕事じゃない!」とすぐに辞めてしまったかもしれません。
好きじゃないけれど、やりがいはある。
大変なことも多いけれど、自分のしていることが役に立っていると思うと嬉しい。
こんな風に考えることが出来れば、自分自身のキャリアの可能性は、どんどん広がっていきますよね。
好きなことを仕事にしているから、理想のキャリアが築けるわけではありません。
好きなことを仕事にしていても、うまくいかなければ、理想のキャリアは築けないかもしれないし、逆に“仕方なく”始めた仕事でも、理想のキャリアを築くことはできます。
だから「好きなことを仕事にしなければならない」という考え方、私は好きじゃないんです。
仕事は楽しくなくてもいい。単なる手段のひとつだから
私自身は、仕事は楽しめた方が良いと思っています。
だって、1日のうちの大半の時間を費やすものだから、「つまらない」より「楽しい」の方が良いじゃない。
だから、仕事を楽しもう!という言い方をします。
でも、「仕事は楽しまなければいけない」とは思いません。
職業人って、自分自身の人生におけるひとつの「役割」でしかないんですよね。
だから他の役割に比重をおいて、仕事は単にお金を稼ぐための手段と割り切ることって、全然悪いことではありません。
趣味やプライベートにお金と時間を使いたい。
仕事は生活費と趣味のお金を稼ぐための手段。
こう思っている方、私のクライアントにもいます。
こう思っている人は仕事に対して適当か?と言われれば、そうではないんですよね。
自分が楽しむためのお金を稼がせてもらっているんだから・・と、責任感を持って仕事をしている人、多いですよ。
仕事が好きだとかワーカーホリックだとか言いながら、自分勝手な仕事しかしない人と比べたら、お金を稼ぐためと割り切ってきっちり仕事してくれる人の方が、ずっと良いと私は思います。
仕事にどんな意味付けをするかは、自分の自由
誰もが希望の仕事に就けるわけでもないし、誰もが仕事を重要視しているわけでもありません。
そして、仕事は仕事でしかありません。
仕事は楽しい
仕事はやりがいがある
仕事は辛くてキツイ
仕事は我慢してやるもの
そこにどんな意味付けをするのかは自分次第です。
希望の仕事に就くためには、自分以外の「誰か」との競争が発生します。でも、仕事にどんな意味付けをするかを決めるのは自分だけ。
好きなことを仕事にしなければいけない
仕事は楽しまなければいけない
誰かの言うそんな言葉に、あれこれ思い悩むぐらいなら、自分が仕事にどんな意味付けをしているのか、どんな意味付けをしたいのかを真剣に考えた方がいいですよ。
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